鈴傳のこだわり
[kodawari]
当店で取り扱う日本酒について
―良い酒を、良い状態で…
当店に並ぶ日本酒の中には、精米歩合10%以下に磨かれ、四合瓶で数万円を超えるものがあります。精米歩合が“1%”の日本酒も登場するなど、精米技術一つをとっても、その進歩はとどまるところを知りません。その他、冷蔵貯蔵設備の普及、洗米技術、酵母の開発・研究、酒米の品種改良など、日本酒の醸造技術はあらゆる場面において、飛躍的な進歩を続けています。
その反面、伝統的な日本酒造りを継承し、昔ながらの生酛造りや、山卸廃止酛(山廃)の導入、木桶仕込みの復活などにも力を入れる酒蔵もあり、昔ながらの日本酒の在り方に重きを置く「原点回帰」の動きも注目を集めております。
最先端の技術を活かして造られたお酒。伝統的な造りのお酒。どちらも造り手のこだわりや想いの込められた珠玉の逸品なのです。冷蔵庫の中では、そんな個性豊かな日本酒がのんびりと開栓の時を待っております。
当店では、そんな想いの込められた日本酒を最適の状態でお客様にお届けできるよう、10℃、5℃、-3℃、3つの温度帯の冷蔵庫を設置し、品質の徹底管理を行っております。冷蔵庫内には自由に出入りが可能で、1本1本手に取り、ご覧いただくことができます。
現代の嗜好に沿った「モダン日本酒」とも呼べるこだわりの商品から、代々受け継がれる伝統の味わいでお客様を魅了し続ける「地方銘酒」まで、様々な日本酒を取り揃えてお客様をお待ちしております。ぜひ当店にて「自身にとってのオンリーワン」となる美酒を探求してみてください。お客様の素晴らしき「酒との出会い」を楽しみに、更なる品質管理の徹底と愛情接客に取り組んでまいります。
酒屋は酒知らず
―造り手の想いを信じ、その酒を愛でる。
当店には「酒屋は酒知らず」という言葉があります。これは、日本酒の造り手である全国の酒蔵に対する敬意の言葉です。 日本酒に関して、よく酒質データ・数値を聞かれることが多いのですが、それは参考にならない場合がほとんどです。同じお酒であっても、天候の影響で毎年酒米の出来は異なりますし、タンクが違いで、造り手の違いで、酒には違いがあるものです。数値はあくまで醸造における一つの目安でしかありません。同じ原料米でも、日本酒度や酸度が一緒だからといって、同じ味にはならないのです。好きな相手のどこが好きかと聞かれて、身長や体重、血圧の測定データなどと答える人はどこにもいません。人それぞれ体格も年齢も性別も育ってきた環境も違います。データや数値ではその人の性格や価値観、その人との相性を知ることは出来ないものです。そこは、日本酒も同じなのです。
数値に囚われず、まずは御自身の味覚で確かめてみて下さい。原料米が一緒でも、蔵元が違うだけで味わいは異なります。日本酒の数だけ面白さがあります。
日本酒は生き物
―「自分が日本酒なら?」を考えてみる。
「現地で試飲した時はすごく美味しかったのに、自宅で飲んでみたら何か違う」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は、商品入荷日や宅配でお届けしたばかりの日本酒は、輸送により本来の旨さを発揮することができないのです。人が移動疲れを感じるように、日本酒も輸送時の温度変化で疲労します。人が身体を休めることで翌日体調が戻るように、日本酒もまた同じものと考えています。入荷したばかりの商品やお手元に届いた商品をまずは一晩、冷蔵庫ないし温度変化が少なく直射日光の当たらない場所にて保管していただき、翌日の夜に開封されると届きたてよりも美味しく味わっていただけると思います。もちろん、二晩三晩とケアして行けばその分だけ旨味も戻っていくと考えます。特に遠方からの長距離移動を経てお手元に届いた日本酒は、ケアに日数を割いていただくことで、お酒も本来のパフォーマンスを発揮することと思います。クール便を利用したものであっても、同様にケアしていただくことをお勧めしております。
日本酒の品質劣化の原因の一つに、酸化が挙げられます。しかしながら、商品によっては開栓初日よりも2~3日経過させることで円やかな旨味が増すものもございます。もちろん短期的に見ればの話ではありますが、その変化を楽しむのも日本酒の魅力の一つでもあります。もし開栓初日に硬さなどを感じましたら、経過を見て御賞味していただきたく思います。